有機野菜の栄養価🥬

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hoshi2man

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1986年8月26日、おとめ座、五黄の寅、O型、千葉県富津市出身、印西市在住、3児の父(6歳、4歳、2歳)※2021年末時点
木更津高専卒業→(編入)和歌山大学→(就職)某建設コンサルタント

自分らしい生き方とは何ぞや?と悩む30代男性。
食・農業、防災、福祉に興味あり。

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慣行栽培(スーパーで売られている普通の野菜)と有機栽培の野菜の違いって分かりますか?
それは、栽培方法の違いです。
って、それはそうだろうというツッコミが入りそうですが、案外、
”有機栽培なら味も良くて、安全で、環境にも良いんでしょう?”
って思っている方いらっしゃるのではないかと思っています。
ということで、今回は有機野菜の”栄養価”について、慣行栽培の野菜と比較した結果から書いてみたいと思います。

実験結果1 有機質肥料栽培のトマトの栄養価の方がやや優れている

最初の実験は、「有機質肥料栽培と無機質肥料栽培のトマトの栄養成分を比較した」ものです。実験結果によれば、ビタミンC含有量と糖類の含有量を比較した結果、”有機質肥料栽培のトマトの方がやや優れている”という結果が出ています(下図参照)。

出典:女子栄養大学 栄養のなるほど実験室(発行:2019年,著者:吉田企世子他)

実験結果2 葉物野菜の栄養成分に大差はない

続いての実験は、有機野菜と慣行野菜を5年間栽培して比較した結果です。実際に有機野菜を出荷している有機栽培農家とその近隣で慣行栽培を行っている農家に野菜栽培を依頼して実験を行ったようです。対象とした野菜はレタス、コマツナ、ホウレンソウです。
実験では、”一般的な体内成分含量は栽培方法の違いによる差を認めず、成分含量の点で有機が慣行よりも高品質であるとはいえない”と結論付けています。例としてホウレンソウの実験結果を以下に示します。

出典:栽培条件(有機栽培と慣行栽培)の違いによる葉物野菜の栄養成分と官能特性(2013,日笠志津)file:///C:/Users/hoshi/Dropbox/Public/07_%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/24_68.pdf

実験結果3 野菜の栄養価は、収穫時期によって大きく違う

3つめの実験は比較結果とはちょっと別の視点から。
ここまで有機栽培と慣行栽培で栄養価に違いはあるかの視点から書いてきたわけですが、有機物肥料栽培の方がやや優れているという結果と大差はないという結果とさまざまな論文が発表されていました。

ただ、一消費者として大事な点は、どのような野菜を食べれば栄養を沢山摂取できるのかということですよね。そういう意味で大事な実験結果を紹介します。緑黄色野菜のビタミンCに関する通年変化の測定結果です(下図参照)。

緑黄色野菜のビタミンCに関する通年変化
出典:女子栄養大学 栄養のなるほど実験室(発行:2019年,著者:吉田企世子他)

1年間の中で収穫する時期によって野菜の栄養価が変化していることがわかります。分かりやすく言えば、”旬”の時期に栄養価が高くなると考えればよいと思います。
分かりやすい例でいうと”ほうれん草”があります。食品解説付き新ビジュアル食品成分表(日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠)によると、ビタミンCの含有量について、夏に採れたものと冬に採れたもので約3倍の差があるとのことです。
他にも”トマト”で言えば、カロチンの含有量が時期によって約2倍の差があるというデータもあります。(下図参照)

トマト(下段)の栄養成分に関する通年変化
出典:出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化〔1〕(1997,辻村 卓, 小松原 晴美, 荒井 京子, 福田 知子)file:///C:/Users/hoshi/Dropbox/Public/07_%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0/71_KJ00001710898.pdf

ただ、旬と言ってもトマトであれば収穫量が多いのは夏だけど、美味しいのは秋冬など分かりづらいものもあるので一概には言えません。栄養価によっても違いがあります。ただ、おおまかには旬が大事でもよいのではと思います。

結論と考察

調べた範囲からの私の結論としては、
「慣行栽培と有機栽培という栽培方法の違いでは、野菜の栄養価に大きな差はでない」
です。

ちょっと回りくどい書き方をしたのは、結局、栄養価に限らず、味も一緒なんですが、”農家さん個人個人によって野菜の品質は大きく異なる”という影響が大きいので、実験の中で味や栄養価を比較した結果だけみても一消費者は鵜呑みにすべきではないと考えているからです。
これについては上記の実験※でも指摘されています。
※参照論文:出回り期が長い食用植物のビタミンおよびミネラル含有量の通年成分変化〔1〕、栽培条件(有機栽培と慣行栽培)の違いによる葉物野菜の栄養成分と官能特性

同じ有機栽培でも、農家さん個人個人によって、使う肥料・農薬の種類、保温や虫よけ等に係る農資材、土壌、播種・収穫の時期、品目・品種などなど、条件は様々です。更に言えば、毎年、気候条件などが変わっていくので二度と同じ環境条件では作れない(特に露地栽培の場合)でしょう。

ここからは単に筆者の経験談となりますが、やはり有機栽培や自然農法の野菜は美味しく感じます。それは、”有機栽培だから”ではなく、有機栽培や自然農法を選択する農家さんは栽培方法について深く考えているからだと思っています。慣行栽培を否定している訳ではありません。ただ、慣行栽培は人工的な資材で成長をコントロールするので、マニュアルに沿って栽培することで一定の品質を確保しやすいと考えています。それに対して、有機栽培の農家さんは自然由来の有機肥料・農薬を用いることで、栽培の難易度も上がります。それでも美味しい野菜を育てようと努力をしている農家さんの野菜だからこそ、一定の品質以上に美味しい、美味しく感じるのではと思っています。

言ってしまうと確かにそうだよね。って感じかもしれませんが、案外思い込み、イメージで考えてしまう人も多いと思ったので、今回のように、科学的なデータも含めてみることができると、納得した上で、有機栽培の野菜を選択することもできるかなと思いました。

論文著者の皆さん(主に女子栄養大学の先生方)、読んでくれた皆さん、ありがとうございました。

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1986年8月26日、おとめ座、五黄の寅、O型、千葉県富津市出身、印西市在住、3児の父(6歳、4歳、2歳)※2021年末時点
木更津高専卒業→(編入)和歌山大学→(就職)某建設コンサルタント

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