最近、ドラマ化されて話題の「ミステリと言う勿れ」をご存じですか?
このドラマの原作になっている漫画が好きです。特に主人公が語るストーリーとは直接関係ないように見えて、重要なことを伝えている小話が大好きです。
そこで、その小話のうち、特に筆者が印象に残ったエピソードを紹介したいと思います。これだけ読んでも漫画の内容は分からないと思いますが、ちょっとでも漫画の内容知りたくない!という方は、読まないでください。
ミステリと言う勿れの概要
小話の内容に入る前に、そもそもどんな漫画か、少しだけご紹介。
- タイトル:ミステリと言う勿れ
- 作者:田村由美
- 掲載誌:月間フラワーズ
- 連携開始:2017年1月号
月間フラワーズの公式ホームページでは、「解読解決青年・久能整が謎も人の心も解きほぐす、新感覚ストーリー。」というキャッチフレーズが示されていました。私なりの解釈による概要はこんな感じです。
事件に巻き込まれやすい運命を持つ主人公・久能整による謎解きミステリ。いつも関係ない雑学ばっかり話していると思いきや、どれもが事件の真相に迫る伏線となっており、一癖も二癖もある犯人の本心へとたどり着く物語。
その一見関係ない雑学小話に、心に刺さる内容がちりばめられている訳です。
ということで、本題の小話について語ります。
「人を殺す」ということについて
バスジャックの犯人が人質たちに対して質問します。
「どうして人を殺しちゃいけないと思う?」
整くんの回答の概要が以下のとおりです。
- 別に人を殺してはいけない。ということはない。
- 人を殺してはいけない。という法律はない。ただし、罰則はある。
- 人を殺してはいけないと言われるのは、秩序のある平和で安定した社会を作るために便宜上そうなっているだけ
- 今の社会では殺しちゃいけないと言われるが、戦争になれば許される。それどころか、たくさん殺した人が褒められる
- 人を殺してはいけないなんて話は、そんな二枚舌で語られるような適当な話
「人を殺してはいけない」と当たり前に学んできた自分にとってははっとさせられる小話でした。
我々は人を殺してはいけないという行為を絶対にしてはならないと心に強く思っているのではなく、ただ単に一般常識であり、罰則があり、人を殺せば社会から拒絶される、ということが分かっているから、ただ人を殺さないだけなのかもしれない。もし、罰則もなく、日常的に周囲で殺人が起こるような社会であれば、誰しもが殺人者になっているのかもしれない。と思ってしまう、少し怖い小話(単行本1巻より)でした。
整くん、ありがとうございました。