野菜の残留農薬ってどうやって確認してるの?

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hoshi2man

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1986年8月26日、おとめ座、五黄の寅、O型、千葉県富津市出身、印西市在住、3児の父(6歳、4歳、2歳)※2021年末時点
木更津高専卒業→(編入)和歌山大学→(就職)某建設コンサルタント

自分らしい生き方とは何ぞや?と悩む30代男性。
食・農業、防災、福祉に興味あり。

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今回は慣行栽培に欠かせない農薬のお話です。
農薬は定められた基準を守って使用すれば安全であるとの前提で市場に出回っています。
ただ、それでも人工的に作られたもので農薬の使用自体に不安を感じる人も少なくないでしょう。
そんな農薬が、売られている野菜や果物にどのくらい使われているのか。いわゆる残留農薬がどの程度かという話、これについては、国や都道府県のホームページで検査結果が公表されています。

東京都の例
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/z_nouyaku/kekka/index.html

ただ、どのような検査をどのようなタイミングで行っているのかという点も気になりませんか?

今回はそこについて調べてみました。

調べ始めたものの。。。

まず最初にお伝えしておきたいのが、公表されている情報を中心に調べ始めましたが、大変でした。。。
私の知識が不足しているせいもありますが、ただ、一般の人が知ろうとすると、わかりにくい情報となっているとも言えます。
そのため、いつもはネットの公表情報を中心に調査結果報告、考察するんですが、今回は、「ネット」、「農家(私の実家)」、「地方自治体(検査実施者)」の3つのソースから調査を試みました。以下、報告です。

公表情報から得られた情報(インターネット調査)

まずはお堅い情報から。厚生労働省のホームページにて以下のような情報が公表されていました。

Q2.食品中の残留農薬等はどのように検査されている?
国内に流通する食品や、輸入食品について、自治体や国が、残留農薬等の検査を行っています。

国内に流通する食品については、自治体が市場等に流通している食品を収去するなどして、検査を行っています。検査は、自治体の監視指導計画において検査予定数を決めて行っています。
 輸入食品については、輸入の際に検疫所への届出が必要ですので、届出された輸入食品の中から、輸入食品監視指導計画に基づいて、モニタリング検査を行っています。違反が確認されると、検査の頻度を高めたり、違反の可能性の高い食品に対しては、輸入の都度、検査を行うことになります。
 また、違反が確認された場合には、その食品を廃棄させたり、原因究明や再発防止を指導するなどの措置を講じます。
出典:厚生労働省ホームページ 残留農薬 (mhlw.go.jp)

ここから分かる重要な情報は、

●検査を行っているのは自治体
●自治体の監視指導計画において検査予定数を決めている。
⇒つまり全量検査しているわけではない

ということです。

では、「監視指導計画」ってどんなものでしょうか?
千葉県と東京都の例を示します。

千葉県食品衛生監視指導計画
https://www.pref.chiba.lg.jp/eishi/keikaku/kenkoufukushi/shokuhineisei/index.html

東京都食品衛生監視指導計画
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/kansi/files/r4keikaku_zenbun.pdf

ただ、これを見ても結局、検査の過程や方法等は読み取れませんでした。
行政資料なので、一定の知識がある人から見ればわかるものなのかもしれませんが、一般人の私には読み取れませんでした。。。

農家である父や兄から得られた情報(ヒアリング調査①)

続いて、インターネットからでは中々要領を得ないので、農家である父、兄に話を聞いてみました。

  • 農産物を売る場所(JA,直売所等)や品目によって栽培履歴の提出を求められることがある。
  • 私の実家の地元の直売所では栽培履歴の提出が必要であり、抜き打ちで残留農薬の検査を行なっている。
  • JAに納品する野菜も品目によって栽培履歴の提出求められることがある。おそらく、抜き打ちで残留農薬の検査を行っている。
  • 検査は専門の検査機関に依頼して行う。

この話から分かるのは、全体の残留農薬検査は自治体で行っているが、販売者によって自主的に農産物の安全を説明できるよう努力していると理解しました。

行政から得られた情報(ヒアリング調査②)

続いて、検査を実施している自治体へ電話でのヒアリング調査を試みました。
まずは、私が住む印西市の関係課に電話してみました。

▶印西市

実施日時:4月12日
対象:印西市農政課

  • 印西市では残留農薬の検査は行っていない。
  • 千葉県が所管しており、年に1回の検査を行っている。
  • つくば市に分析施設があり、そこで行っている。

ということで、上記の助言を受け、千葉県にも問い合わせてみました。

いんざいくん
出典:印西市ホームページ 1-1inzai-kun.gif (1095×1319)

▶千葉県

実施日時:4月12日
対象:千葉県健康福祉部衛生指導課

  • 千葉県において残留農薬の検査を行っている。ただし、千葉市、船橋市、柏市は保健所を持っており、それぞれ独自の計画を定めて検査をしている。
  • 千葉県の残留農薬の検査方法として「収去検査」「買い上げ検査(抜き取り検査)」の2種類があるそうです。★

★補足(ヒアリング後に星野がネットで確認した情報含む)

  • 収去検査は、「検査するので検体(今回でいう野菜や果物)を提出してください」という形で事業者等から入手したものを検査する方法です。これは、ある程度事前に伺うことを県から連絡した上での検査となるようです。
  • 買い上げ検査(抜き取り検査)は、一般の店舗(スーパー等)において、一般消費者と同じく購入した野菜や果物を対象とした検査となります。もしかしたら事業者(販売者)には連絡がいくかもしれませんが、生産者にはないでしょうから、実質予告なしの抜き打ち検査ということになります。
  • 検体数は千葉県食品衛生監視指導計画に示しています。

★補足(ヒアリング後に千葉県、東京都の食品衛生監視指導計画から確認した結果)

  • 千葉県食品衛生監視指導計画では、国内の農産物の令和4年度の予定検体数は68と書かれていました。
  • 東京都食品衛生監視指導計画では、令和4年度に野菜果物販売業44,000件への立ち入り検査、18,300項目の残留農薬検査が予定されているようです。
  • 県としての検査は、あくまで全体のモニタリングの意味合いが強い。最終的には、生産者、事業者が安全な食品を販売するという前提となっている。自主的に残留農薬検査を行っている事業者もおり、それは安全性を示すための企業努力です。
  • 千葉市、船橋市、柏市の食品衛生監視指導計画を見ると自治体単位の具体的な内容がわかるかもしれません。

感想

基本は、「生産者を信じて買う」になるのかなと思いました。
ただ、もちろん、それでは怖い、納得いかないという人は、自主的に残留農薬検査を行っている事業者もいると思いますので、そういった丁寧な販売をしてくれる店舗や生産者さんを見つけるというのが必要そうです。
あとは、市場流通の多くを占める農協の検査体制がわかれば、もう少し見えてくる気はしますが、今の農協は地方単位で独立しています。それぞれが一国一城の主です。スーパーでは全国の野菜が売られているので、それを把握するのは難しいでしょう。

個人的には、日本の生産者さんを信じたいと思いますが、仕組みとしてコレで良いのかというところはあり、これはもう少し勉強しないと見えてこないかなと思います。

おまけ:検査方法

残留農薬検査は、大きく分けると以下の4つの工程を経て行われます。

  1. 農産物を切って細かくする
  2. 農薬成分を取り出す:細かくした農産物と農薬成分を溶かすことができる液体(有機溶媒)を混ぜて
  3. 要らないものを除く:前の工程で混ぜた農産物の中から分析のために農薬以外の成分を取り除く作業
  4. 残留農薬の種類や濃度を求める

参考:地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所
http://www.iph.osaka.jp/s011/20200318143308.html

印西市、千葉県の担当者、関係者の皆さん、父兄、読んでくれた皆さん、ありがとうございました。

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1986年8月26日、おとめ座、五黄の寅、O型、千葉県富津市出身、印西市在住、3児の父(6歳、4歳、2歳)※2021年末時点
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