前回に引き続き、農福連携について書いてみます。
今回は、福祉側の課題
障がい者の働く場が不足
現在、障がい者約1,000万人のうち、雇用施策対象となるのは約400万人、そのうち企業で雇用されている、福祉施設で就労しているなど、働く場があるのは約100万人。
出典:農福連携ブランドづくりセミナー&ワークショップ 三重県 富所氏発表資料より抜粋
令和2年版障害者白書によると「身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、各区分における障害者数の概数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)109万4千人、精神障害者419万3千人となっている」とされており、この合計数が約1,000万人という概算になるようです。
雇用施策対象400万人、働く場がある障害者100万人の根拠は見つけられませんでしたが、それだけ、障害のある方が働くということについてハードルが高いというのが感じられるデータだと思います。さらに、雇用という視点から考えると、上記の働く場がある障害者100万人はさらに限定されます。厚生労働省のホームページで公表されている民間企業の雇用障害者数は令和3年6月1日時点で約60万人、公的機関や独立行政法人などで働く人を合わせても約70万人未満です。
筆者は、福祉業界で働いた経験はありませんが、現在、社会福祉士取得に向けて勉強中です。その中で知的障害のある方が働く就労継続支援B型の施設で研修を受けたことがあります。その経験も含めて、上記の数字上で見える課題以外の定性的な課題について触れておきます。私が感じる課題は以下のとおりです。
- 障害のある方が企業で働くということは非常にハードルが高いと考えます。それは、決して障害のある方の能力が低いといった趣旨の話ではありません。ただ、どうしても健常者の方であれば当たり前のことができないこともあります。(長時間の集中労働、体力が必要な仕事、臨機応変な対応を求められる仕事等)それに対する知識や理解が不足している組織の中で働くことは難しいと考えます。
- 障害のある方が目指すニーズと働くこととのギャップも課題だと考えます。一般的な雇用契約で言えば、働く対価として金銭が支払われる。という形が成立すればお互い納得というケースが多いのではと思います。もちろん、企業によっては、金銭以上の働く価値(社会的な意味、自己成長等)を与えてくれると思います。障害者が働く場合、この側面が大きくなるのではと考えます。障害者が思うニーズ、自己実現に向けて必要なプロセスとして働く場の問題があると考えます。
- 対価として支払われるお金の問題もあります。私が研修を受けた就労継続支援B型という区分では雇用契約ではなく、サービス利用という形での契約となっており、働いた分の対価は工賃という形で支払われます。これは、月数千円~数万円程度が多く、この就労だけで経済的に自立することは難しいと考えます※。金銭的な対価が非常に低いという点に関しては、一つの問題であると考えます。
※ただし、これに加え障害者年金等、国からの補助等も収入源としてはあるため、工賃だけで生活している訳ではありません。
ざっと思いつくままに書いてしまったので、読みづらくわかりづらく申し訳ありません。。。
次回は、農福連携の課題や実際の事例紹介等もできればと思います。
皆さん、ありがとうございました。