前回のブログ記事に引き続き、森林環境税について書いていきます。
前回は、税率や開始時期等の税金を取られる側の視点で書いていきましたが、今回は使う側の視点で書いていきます。集められた税金はどのように活用されるのでしょうか。
目次
森林環境譲与税として市町村や都道府県へ
森林環境税は市町村が徴収し、一度国で集約します。
そして、「森林環境譲与税」という形で、全国の都道府県、市町村に譲与されます。
既に令和元年度から譲与が開始されており、市町村や都道府県の私有林人工林面積、林業就業者数及び人口を基準に按分して譲与されているようです。
森林環境譲与税は何に使われているの?
森林環境譲与税は、市町村、都道府県によって使う目的が異なります。
また、適正な使途に用いられることが担保されるように森林環境譲与税の使途については、市町村等は、インターネットの利用等により使途を公表しなければならないこととされています。気になる方は、ぜひ調べてみてください。
令和2年度の使途公表URL一覧
https://www.rinya.maff.go.jp/j/keikaku/kouhyouichiran-2.pdf
さらに具体的な使い道を見てみよう!
上記の説明では、まだ具体的なイメージつきづらいと思います。
公表されている情報から市町村や都道府県でどのような予算を確保しているか見てみましょう。
今回は、私が住んでいる「千葉県」「印西市」を例に紹介します。
▶千葉県
令和2年度の森林環境譲与税の使途一覧が公表されていました。
※図を貼る
県は、市町村の支援を目的とした事業に森林環境譲与税を使っています。
具体的には、支援のためのシステム構築、県全体の方針を定める森林計画関連、県内市町村の取組を促進するためのモデル事業、人材育成支援等に予算を割いているようですね。
▶印西市
では、森林整備や関係者の支援を直接行う市町村単位では、どのような使い方をしているのか見てみましょう。
「令和2年度森林環境譲与税の使途について」ということで公表されていました。
市は、間伐や人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等を目的とした事業に森林環境譲与税を使っています。
具体的には、県のクラウドシステム使用料、森林所有者へのアンケート調査費用、特定の森の伐採費用等に予算を割いているようです。ただ、約1,100万円の予算のうち、約710万円が基金の積立金となっていることから、現時点では、まだ積極的な活用は行われていない印象です。ただ、これは近隣の成田市や佐倉市においても、ほとんどを基金の積み立てとしていることから、印西市特有の使い方というよりは、使い道の判断を迷った市町村の多くはこの形をとっているのではと考えました。その他、君津市のように房総半島台風の被害による復旧や対策等、現時点において使い道が明確な市町村もいるとは思います。
ということで、君津市の例も紹介しておきます。
▶君津市
「令和2年度 森林環境譲与税の使途公表(君津市)」ということで公表されていました。
君津市では、災害に強い森づくり事業、森林環境整備事業等、森林整備、特に災害対策を行うための予算を確保し、実行しているようです。印西市は、アンケート調査を行って意向を確認してから動き出すように見えますので、令和3年度に期待してます♪
今回はここまで。
また次回、さらに具体的な取組事例について紹介していけたらと考えています。
読んでくれた皆さん、ありがとうございました。